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厚生労働省が「過労死等ゼロ」緊急対策を公表

厚生労働省が「過労死等ゼロ」緊急対策を公表

厚生労働省の長時間労働削減推進本部(本部長・塩崎厚生労働大臣)は、違法な長時間労働を撲滅を目指す緊急対策を昨年12月26日にまとめました。大手企業の新入社員が過労自殺した事件などを受け、厚生労働省は違法な長時間残業や過労死等の社会的問題に強力に取り組む姿勢です。平成29年より順次実施が進められる予定ですが、緊急対策の内容には、労働時間の適正把握のための新ガイドライン策定などが盛り込まれており、企業にも対応が求められます。

「過労死等ゼロ」緊急対策について(概要)

1.違法な長時間労働を許さない取組の強化
① 新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底(平成29年1月20日ガイドライン策定)
・労働者の「実労働時間」と「自己申告した労働時間」に乖離がある場合、使用者は実態調査を行うこと
・「使用者の明示または黙示の指示により自己啓発等の学習や研修受講をしていた時間」は労働時間として取り扱わなければならないこと 等
② 長時間労働等に係る企業本社に対する指導
③ 是正指導段階での企業名公表制度の強化
④ 36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底


2.メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化
① メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導
② パワハラ防止に向けた周知啓発の徹底
③ ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底


3.社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化
① 事業主団体に対する労働時間の適正把握等について緊急要請
② 労働者に対する相談窓口の充実
③ 労働基準法等の法令違反で公表した事案のホームページへの掲載


65歳超雇用推進助成金

高年齢者の雇用促進を目的として、以下のいずれかの制度を導入した事業主が助成金の対象になります。
(1)65歳以上への定年の引上げ (2)定年の定めの廃止 (3)希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入

①65歳への定年引上げ  支給額100万円
②66歳以上への定年引上げ、または定年の定めの廃止 支給額120万円
③希望者全員を対象とする継続雇用制度の導入
                 66歳~69歳  支給額 60万円
                   70歳以上  支給額 80万円
 ※①~③の複数の制度を合せて導入した場合は最も高い額のみの支給となります。



(主な支給要件)1事業主につき1回限りです。
○ 制度の実施日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、高年齢者雇用安定法第8条・第9条のいずれの規定にも違反していないこと。
○ 制度の実施に際し、就業規則を整備し、専門家(社労士)へ委託費等の経費を要していること。
○ 支給申請日の前日において、当該事業主に1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者(※)が1人以上いること。 (※)短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除き、期間の定めのない労働契約を締結する労働者または定年後に継続雇用制度により引き続き雇用されている者に限ります。
  *次の者は対象とはなりません。・定年年齢以上の年齢で雇用された者
・定年前から引き続き雇用しているが、継続雇用年齢以上の年齢まで継続雇用している者

~ 制度を規定した際の「賃金」や「退職金」に関するリスクを予め検討しましょう! ~


特定受給資格者の範囲が変更されました

平成29年1月1日より、「解雇等により離職した者」の範囲が、一部変更されました。

変更前
賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払われなかった月が引き続き2か月以上となったこと等により離職した者


変更後
賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことにより離職した者
判断基準ポイント⇒ 賃金不払が1度でもあれば該当します。


追加
事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続を図るための制度の利用を不当に制限したこと、又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者
判断基準ポイント⇒・育児・介護休業法等に違反して、休業や休暇の申出を正当な理由なく拒むことも、もちろん該当します。
・不利益な取扱いとは、減給等の他、仕事をさせない、もっぱら雑務をさせるなど職場環境を害する行為も含まれます。


*事業主側は自主退職であると判断していても、従業員側が異なる意見を持っている場合、トラブルに繋がる事があります。 また、特定受給資格者が一定数以上出ると雇用関係の助成金が受けられなくなる等のリスクがあることも把握しておきましょう。



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